2026年4月17日 6 分で読めます

エージェント向けWorld ID:Browserbase、Exa、Okta、Vercel

エージェント時代のWeb:World IDとBrowserbase、Exa、Okta、Vercel|World(ワールド)
Worldエージェント

オンライン上の行動は、人が担っていた時代から、エージェントが担う時代へと急速に移行しています。エージェントはすでに、Webの閲覧、APIへのアクセス、購入、複数のステップにわたる処理を、人に代わって担っています。インターネットはこの変化を前提に再構築されつつあり、その基盤を担う企業も急速に動いています。

認証や本人確認の仕組みは、こうした変化に追いついていません。既存のシステムは、エージェントではなく人間が操作することを前提に作られています。サービスの登録にはアカウント、APIへのアクセスには認証情報、購入には本人にひも付いた支払い手段が前提です。さらに問題が起きたとき、エージェントの行動を人間が承認していたことを、信頼できる形で示す手段もありません。ここで必要になるのが、人間証明です。これは、個人情報を集めることなく、エージェントとその行動の背後に一人の人間がいることを、あらゆるサービスが暗号学的に確認できる仕組みです。

Worldは、AgentKitを通じて、人間証明をエージェントのワークフローに広げる3つの新機能を提供します。エージェント委任、人による承認、そしてエージェントコマースです。これにより開発者は、背後にいる人間の証明を持つエージェントを構築し、機微な操作に対して検証可能な人の承認を求めたり、認証済みの人に代わって取引を行ったりできるようになります。こうした機能は、新たな信頼の基盤を築く土台となります。

Worldの人による承認フロー:Vercelによる検証可能な意思確認を搭載

エージェント向けWorld ID:Browserbase、Exa、Okta、Shopify、Vercel

エージェントがより高リスクなタスクを担うようになると、重要なワークフローでは、検証可能な人間の意思表示が不可欠になります。決済分野では、カードネットワークや決済プロトコルが、口座名義人による取引承認を暗号学的に証明する仕組みを構築しています。しかし、影響の大きいエージェントの行動が、すべて購入に関わるとは限りません。たとえば、機密データへのアクセス、契約の締結、インフラ構成の変更、デプロイの承認などが含まれます。すべての場面で、信頼の拠り所となる決済ネットワークが存在するわけではありません。これまで欠けていたのは、「本物の人間が特定の行動を承認した」ことを証明でき、あらゆるワークフローやプラットフォームで相互運用可能な共通基盤です。

よくあるのは、エージェントが高額な購入を行い、ユーザーが異議を申し立てた結果、事業者がチャージバックの負担を負うケースです。あるいは、エージェントが午前3時に本番インフラを変更してサービスを停止させたにもかかわらず、その変更をエンジニアが承認したのか誰にも分からないケースもあります。いずれの場合も、エージェントが行動し、問題が発生した一方で、人が関与していたことを示す記録は残っていません。

World IDによる人の承認フローは、この課題に対応します。あらゆるエージェントワークフローにおいて、AIではなく一人の人間が特定の操作を承認したことを示す、ゼロ知識の暗号学的証明をリクエストできます。この証明は、将来のどの時点でも独立して検証できます。ゼロ知識証明であるため、サービス側は個人データを保存する必要がなく、個人識別情報に関する責任やデータ漏えいのリスクを負うことなく、高い信頼性をもって検証できます。

Worldは、Vercelと連携し、Vercelの新しいオープンソースWorkflow SDKを利用する開発者向けに、人による承認フローを提供します。開発者は、任意のワークフローやエージェントに人による確認を求めるステップを追加でき、すべての確認は各ワークフローの実行画面内で確認できるため、監査証跡を残せます。その結果、最も重要な場面で人が関与していたことを証明できる記録が残ります。この機能は本日から利用可能で、npmからインストールできます。

Vercel

OktaのHuman Principalで実現する人間証明

無料プランを提供する開発者向けプロダクトやSNSプラットフォームは、悪用のリスクにさらされています。AIの普及により、大規模な不正利用や詐欺はこれまで以上に容易になっています。エージェントが主流になるにつれて、こうした問題は今後さらに深刻化すると見込まれます。エージェントの背後にいる人間を見分ける手段がなければ、選択肢は、厳しいレート制限をかけるか、プロダクトごとに煩雑で負担の大きいKYC(本人確認)を導入するかに限られます。どちらも利便性を損ない、データプライバシーのリスクを生み、自動化されたエージェントワークフローの価値を損ないます。

認証済みのWorld IDユーザーは、自身の人間証明をエージェントに委任し、代理で行動させることができます。サービス側は、個人情報を収集することなく、そのエージェントの背後に一人の人間がいることを確認できます。

Oktaは、新たな製品「Human Principal(人を主体とする新しい識別の仕組み)」の開発を計画しています。Human Principalにより、API開発者は、エージェントやその行動の背後にAIではなく一人の人間がいるかどうかを確認し、それに応じてポリシーを適用できるようになります。ユーザーは複数の認証方法で本人確認を行い、煩雑な再認証を繰り返すことなく、複数の製品にまたがって利用できる、端末に紐づいた暗号学的証明を取得できます。World IDは、Human Principalの初期連携パートナーの一つとなる予定であり、プライバシーに配慮し、使いやすく、幅広く利用できる人間証明の手段を提供する見込みです。

Okta

World IDとHuman Principalを組み合わせることで、エージェントトラフィックに対する人単位のレート制限、悪用に強い無料枠、さらに本人に代わってサービスへアクセスするエージェントの、よりスムーズなオンボーディングフローといった機能が可能になります。今後提供予定のHuman Principalベータ版のウェイトリスト登録は、humanprincipal.aiで受け付けています。

BrowserbaseとExaがエージェント委任における人間証明を統合

企業による製品の認知や導入が、AIエージェントが購入者に代わって評価、比較、取引を行うエージェント主導の成長へと移行する中、企業は新たなジレンマに直面しています。選ばれるためには、エージェントに十分な無料枠と摩擦のないアクセスを提供する必要がありますが、その開放性が悪用の余地を広げてしまうからです。World IDは、認証済みの人間が支えるエージェントと未認証のトラフィックを区別できるようにすることで、この課題の解決を後押しします。これにより、企業は悪用リスクを抑えながら、より広いアクセスを提供できます。私たちは、この課題に主要なAI企業とともに取り組めることを嬉しく思います。

Browserbaseは、エージェントによるWebの自動化を可能にするプラットフォームを提供しており、エージェント委任にも対応しました。Browserbaseを利用するエージェントがWorld IDを持っている場合、認証済みトラフィックとして扱われるため、Web上を移動する際のブロックや摩擦が軽減されます。World IDを持たないエージェントには、従来どおり標準的なアンチボット対策が適用されます。この統合は現在、開発者が利用できます

ExaはAIネイティブ検索を提供しており、AgentKitで認証されたエージェントに対して、毎月100回の無料APIリクエストを提供しています。World IDに裏付けられた認証済みエージェントを通じて、開発者はExaの検索およびコンテンツエンドポイントを前払いなしで試すことができ、悪用対策も講じられています。クォータを使い切ると、エージェントは標準のx402決済に戻ります。この統合は現在、開発者が利用できます

人間証明で実現するエージェント主導のコマース:一人ひとりに紐づくエージェントと購入枠

コマースの分野では、未認証エージェントの活動による影響が最もすぐに表れます。在庫限定の短期セール、限定商品の発売や期間限定セールは、悪意ある業者にボットで狙われやすいタイミングです。ショップは、実在する人間の代理として行動するAIエージェントを受け入れたいと考えていますが、正当なアクセスと不正な活動を見分けるという新たな課題に直面しています。

AgentKitを使うことで、購入者は自分のWorld IDをエージェントに委任し、ネット上での商品検索やクーポンの取得、購入手続きを進めることができるようになります。また、人による承認フローにより、設定された上限を超える購入は、人間による明示的な承認なしには行えません。これにより販売者は、World IDを使って、購入の背後に一人の人間がいることを確認し、各購入者の購入数を制限できるようになります。その結果、一人の人間に紐づいたエージェントからのアクセスを、安心して受け入れられるようになります。エージェント委任と人による承認フローは、正当な購入者を優先し、収益機会を広げ、不正を防ぐために設計されています。

Worldのデモでは、ShopifyとGoogleが共同開発したオープン標準であるユニバーサルコマースプロトコル(UCP)とWorld IDを組み合わせることで、エージェント主導のショッピング体験が可能になることが示されました。このデモでは、Shopifyの加盟店が、その購入の背後に認証済みの一人の人間がいることを確認できる点が強調されました。エージェントと購入枠は、人ごとに紐づいて管理されます。

エージェント主導のコマース機能を試してみたい開発者の方は、こちらをご覧ください:https://github.com/worldcoin/agentkit-shopify-demo

World IDを活用したエージェント向け開発

エージェント委任、人による承認フロー、エージェント主導のコマースは、AgentKitを通じて開発者が利用できます。https://docs.world.org/agents/agent-kit/integrate

人が担っていたオンライン上の行動は、急速にエージェントが担うものへと移りつつあります。問われているのは、信頼の基盤がこの変化に対応できるかどうかです。World IDはその基盤として、重要なあらゆるエージェント、あらゆる行動、あらゆる取引の背後に、一人の人間がいることの証明を提供します。

※このブログに記載されている今後の製品、機能、仕様、認証に関する内容は、あくまで情報提供を目的としたものです。これらは提供を確約するものではなく、購入の判断材料として依拠すべきものではありません。

実在する人間のネットワークに参加しましょう。

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